一眼レフカメラで、ファインダーから被写体を見ることができる仕組みをご存知ですか?
レンズを通った光をミラーで反射して、ペンタプリズムで向きを変えてファインダーに光を届けているという説明は間違いではありませんが、1つ部品が欠けています。
それはピント板です。
ピント板とはどういったものなのでしょう。
ピント板とは
先程の説明と、フランジバックというキーワードで気づく人がいるのではないでしょうか。
一眼レフカメラのピントはレンズ接合面からフランジバックの距離で結像するようにピントを合わせます。
ではファインダーで見るときは、フランジバックの距離で結像した像をどのように見ているのでしょう。
実はミラーで反射した光が結像する場所にはピント板というすりガラス状の部品があり、ファインダーを見ているときは、ピント板上に結像した像を見ているのです。
ピント板はペンタプリズムの真下、ミラーの真上の位置にあります。
ピント板の交換
一眼レフカメラのピント板は交換することが可能です。
通常、購入時のピント板はAF用のものが使われています。
AF用のピント板は明るさを優先した設計となっています。
しかし、マニュアルでピントを合わせるときは、ピントのボケがハッキリ見えるようにちょっと暗めのボケやすいピント板を使うとピントが合わせやすくなります。
入門用の一眼レフカメラではピント板が交換できないものもありますが、上位機種ではこのAF用とMF用のピント板を交換することができます。
ピント板は単にAF用、MF用という2種類だけでなく、方眼や目盛りが付いたものや明るいレンズでピント合わせしやすくなるものなど数種類あります。
ピント板の交換は、特殊な工具を使用する場合がありますが、自分で行うこともできます。
ただし、ピント板によっては露出補正を行う必要もあるので、ある程度の専門的な知識も必要なので、メーカーサポートで交換してもらったほうが安心です。
ピント板の清掃
一眼レフカメラのファインダーを覗いた時に、ゴミが写っていることはありませんか?
ファインダーを覗いた時に見えるゴミはピント板に付着したゴミが主になります。
ピント板のゴミの厄介なところは、ピント板の上面についていることが多いということです。
つまり、下からブロアーを吹くだけでは取れないので、分解が必要ということです。
ピント板の分解は、一眼レフカメラのレンズマウント面からアクセスする必要があるので、作業はミラーなどに触れないように注意が必要です。
さらに、ピント板固定金具を外す工具も必要になります。
ピント板のゴミは写真に影響をあたえるものではないので、基本的には無視しても問題ありません。
無理に分解するよりは無視した方が得策といえます。
気になる場合はサポートセンターで分解清掃してもらってもよいでしょう。